うまく行く人と行かない人の決定的な違いとは

能力を活かして上昇気流に乗れる人、

能力はあってもあまりうまく行かない人

同じ人間なのに、何が違うのだろうか?

 

 

「悪くないけど、足りないものがある」

 

キャリアが上がってきたり、仕事でリーダー的ポジションになってくると、米国では、よく「プレゼンス」や「エグゼクティブプレゼンス」という言葉を聞くようになります。

例えば、「A」という人の実力や人柄について言う時にこんな風に。

「Aは仕事はできると思う。人柄もいいし、部下との関係も悪くない。

しかし、「上に行く雰囲気」じゃない。
Aには残念だがエグゼクティブプレゼンスがないんだ。」

 

あるいは、あなた自身がその「A」という人だったら、上位にいる人からこんなことを言われるかもしれません。

「あなたは努力家だし、成果をきちんと残せている。ただ、あなたのポジションから期待されるプレゼンスが弱いようだ。部下のモチベーションにも関わるし、対外的なパフォーマンスにも影響するから、課題として認識してほしい」

日本では、このような言い方はあまり聞かないかもしれません。と言うのも、「プレゼンス」「エグゼクティブプレゼンス」という言葉は、最近知られるようにはなってきましたが、まだ十分に浸透しているとは言えないのです。

 

そのかわりに、こんなことを言ったり聞いたりしないでしょうか?

「仕事ではよく努力していると思うが、いかんせん光るものがない」

「いい人だが、目立たないというか少しさえない感じだな」

「〇〇(役職や役割)らしい雰囲気はないよね」

 

上にある、「光るもの」が、言ってみれば「プレゼンス」です。「プレゼンス」を直訳すると「存在感」ですが、特に「光る」「華」「オーラ」と、目立ち肯定的に捉えられる存在感です。

それに「エグゼクティブ」=幹部の、上層部の、高級な、上質な、という意味がついた「エグゼクティブプレゼンス」は、上の「〇〇(役職や役割)らしい雰囲気」または「一流の存在感、威厳や落ち着きのある雰囲気」と言い換えられます。「エグゼクティブプレゼンス」は、役職や役割を聞いて「なるほど」と思えるような、落ち着きや品、風格など、どこか「上位にある人」らしい卓越した雰囲気を指すわけです。

実はこの、「プレゼンス」や「エグゼクティブプレゼンス」の有る無しが、能力を活かして上昇気流に乗れる人と、能力があってもあまりうまく行かない人を分けます。

それはなぜでしょうか?上にあるセリフにそのヒントがあります。

どのセリフも「(その人は)悪くないが、足りない」、という意味のことを言っています。では「足りない」のは何でしょうか。実は足りないのは「選ぶ理由」と「十分な信頼感」です。

 

上に行く人は持つことを期待される

 

「エグゼクティブプレゼンス」についてもう少し詳しくお話しましょう。

多くの人は社会に出ると働きます。そして仕事の能力や人間性を高めていきます。そうするうちに、どこかで「リーダー的な役割やポジション」を担うタイミングがやってきます。誰しもいるステージはだんだんと高くなっていくのです。

ひと言で「リーダー的な役割やポジション」と言っても、いろいろあります。

企業の中で昇格し、動かす人間がだんだん増えていく人もいます。また、起業してチームや組織のトップにいきなりなる人もいます。あるいはコンサルタントや士業などの専門職になり、クライアントを色々な意味でリードし、知識や知見を与える仕事をする人もいます。コンサルティング的営業を手掛ける営業職の方も同様でしょう。講師業の方も知識や知見を与える仕事であり、その意味で人をリードしていく立場です。

ステージが高くなるにつれて、期待されるものも変化してきます。最初は一生懸命さやひたむきな努力だけでよかったものが、生産力、成長力、そして人間性、と範囲も広がります。

「リーダー的な役割やポジション」にある人に期待されるものは何でしょうか? もちろん仕事の能力、仕事で出す成果であるのは当たり前です。しかし、それだけではありません。安心感をもたらしてくれるような「トークン」が欲しいのです。「らしさ」を感じたいのです。何か光るものを感じ取りたいのです。つまり「雰囲気」といった目に見えにくいものも大きく期待されるようになります。

「トークン」は、人をリードする人物がその立場にあることの説得力を周囲に常に感じさせるしるしのようなものです。それがあれば、周囲はそのリーダー的な人物を「選ぶ理由」とその人物に対しての「十分な信頼感」を感覚的に得ることができるものです。つまり、これはその人物にとって大きな「強み」なのです。

このトークンが「エグゼクティブプレゼンス」です。欧米では「社会的リーダーの立場にある人間の当然の資質」と考えます。また、「エグゼクティブプレゼンス」は生まれつきの才能のようなものでなく、「ビジネススキル」と考えます。ですから、リーダー的ポジションになるなら、がんばって身につけておいてください、という考え方です。新人の頃には文章作成スキルを磨くように、リーダーポジションになったら「エグゼクティブプレゼンス」は自分で磨くべきスキルなのです。

つまり、「エグゼクティブプレゼンス」とは、上のステージに上がるにつれて「自然に周囲から期待される雰囲気」であると同時に、「上のステージに行く気があるなら身につけると期待されるビジネススキル」と言えるでしょう。

では、「エグゼクティブプレゼンス」とは、皆どのように身につけるのでしょうか。

 

段階的に身につける

 

上では「欧米では」という言い方をしました。日本ではまだ「エグゼクティブプレゼンス」という言葉やビジネスシーンでの重要性を認識しているのはまだ少数派だと言えるでしょう。しかし、重要性を認識し、自ら身につけようとするビジネスパーソンの割合は確実に増えています。

その理由としては、徐々に日本のビジネスシーンが米国のビジネス文化と融合してきたこと。リーダーシップの考え方も理論的になり、人を惹きつけ自発的に行動を促す意識やスキルが支持されています。ですから、泥臭い立ち居振る舞いは歓迎されず、自然に尊重されるような洗練された物腰はより必要となっています。

また、組織のボーダレス化、働く人の多様化も。リーダーポジションにある人間の「エグゼクティブプレゼンス」をより重要にしています。自分の上司、部下、顧客日本以外の国の人間であることは普通の時代です。自らの価値を顕在化させ、周囲に感覚的に「リーダーだ」「能力が高い」「信頼がおける存在だ」とすぐにわからせることができる技術はこれからのビジネスシーンには欠かせない能力となります。

論語には、「君、君たらざれば、臣、臣たらず」(主君が主君らしくないのであれば、仕える人もまた仕えようとはしない)という言葉もあります。東西を問わず、はるか昔から上に立つ人に期待されるものは同じです。

さて、これから日本人として「エグゼクティブプレゼンス」を身につけていくなら、段階的に身につけていくのが一番です。

第一段階:自分の身体を整え、表現力を高める

表情や視線、立ち姿や歩き方など、自分の身体のパーツは自分の存在感を左右します。実は、この段階は表現力が不足していると思われがちな日本人にとっては非常に重要な段階です。自分のちょっとした表情や動作が人にどんな印象を与えているかを意識して、人から見た印象のコントロールの仕方を覚えてください。

 

第二段階:自分を光らせる良い習慣を身につける

靴や衣服の手入れなど日常のちょっとした習慣がその人の印象を光らせます。ちょっとずつでも良い習慣を見つけて身につけていってください。

 

第三段階:自分の役割やポジションにふさわしい服装に整える

装いはその人の中身を説明する「ラベル」と言われます。おしゃれであることと、ふさわしい評価を受ける服装であることは別のこと。大人の社会人としてふさわしいTPOの知識を得て、自分というブランドにふさわしいラベルを考えてください。

 

第四段階:卓越したコミュニケーション力を身につける

社会で暮らす限り、コミュニケーションは誰にとっても重要なスキルです。高度なコミュニケーションスキルも役に立ちますが、基本をしっかり身につけることが卓越したコミュニケーション力を育てます。人の観察、人の理解、そして人への接し方の技術を意識して身につけてください。

 

第五段階:どこにでも出られる自信を早めに身につける

ステージがあがるにつれて、人の前に立ったり、人と親しく交わる場面が増えます。リーダーポジションにふさわしいマナーや立ち居振る舞いは、そのときまでに身についていなければ、せっかく積み上げてきた評価がたちどころに崩れます。どこにでも出られる自信を早めにつけておくのが肝要です。

 

勝てるビジネススキル「エグゼクティブプレゼンス」を身につける

 

いかがでしょうか。

人には、何か「光るもの」、他の言い方をすると「オーラ」た「華」が感じられる人、そうでない人がいます。そして、その役職や役割らしい雰囲気を持つことにより、「さすが、〇〇(役職や役割)らしい雰囲気」「ぴったりのイメージ」と他人に感じさせる人と、「え、そう見えない」「イメージが違う」と人に思わせてしまう人がいます。 どちらが能力を活かして上昇気流に乗れる人でしょうか? それは自明の理でしょう。

その「雰囲気」は、実際は総合力であるのです。もちろん、本人の仕事そのものへの自信や人間性が一番大事なものです。しかし、人にそれがわからなければ、わかってもらえるまでは大変な時間がかかることになります。「優れた存在であることを早期にわかってもらい、信頼や畏敬の念をもってもらい、自然に尊重される」ことができれば、ビジネスでの成功はずっとスムーズになります。

どんなことでも、早めにはじめれば早めに結果が出ます。あなたが今まで「エグゼクティブプレゼンス」を知らなかったのなら、今日から意識してください。筆者が最初に「エグゼクティブプレゼンス」を提唱し始めた段階では、知っている人は日本ではビジネスパーソンの1%足らずでした。企業の研修でもごくわずかな外資系企業のみが「エグゼクティブプレゼンス研修」を依頼してくる程度でした。ましてや、個人が自分からトレーニングを申し込んでくることはなかったのです。

しかし、今はどうでしょう。「エグゼクティブプレゼンス」という言葉は、よく知らないまでも「聞いたことがある」という人が増えてきました。企業様からは集団研修のご依頼もありますが、これというポジションの方の個人トレーニングの依頼が増えてきました。そして、一般のビジネスパーソンからの個人トレーニングの依頼や問い合わせは年々増えています。数は男女半々です。

「エグゼクティブプレゼンス」は「存在感」「雰囲気」といった曖昧な感覚的なものですが、感覚的なものこそが人を動かします。人間は感情で反応し感覚で判断してから思考に移るからです。ですから、まず感情や感覚に訴えるものを考えることは、実は合理的なことなのです。「エグゼクティブプレゼンス」は私たちの生活の中で大きな比重を占めるビジネスシーンのソリューションにもなる概念です。ですから、

 

「エグゼクティブプレゼンスに、このトレーニングに出会ってよかった」

「あのとき、悶々としていた自分の悩みはエグゼクティブプレゼンスを知ることで解決できた」

 

「卒業」した方からはこのような感想もいただいています。

ある会社では、企業合併の流れで、欧米駐在経験のあるCEOが加わったとたんに、緊急に幹部研修が計画されました。その研修項目のひとつがエグゼクティブプレゼンスについてです。

「今後、当社の幹部としていてもらうからには、エグゼクティブプレゼンスを早急に身につけてもらわなければ困る」そのようにお達しを受けた人事担当により、研修が計画されたのです。

今後は日本資本の会社でも「幹部の要件」としてエグゼクティブプレゼンスが重視されるようになるでしょう。

そんなエグゼクティブプレゼンスですが、上でもいったように生まれつきの才能ではなく、必要な人が身につけていくべきビジネススキルであり、段階的に取り入れていくことでスムーズに身につけられます。

勝てる人になるビジネススキル、エグゼクティブプレゼンスをあなたも今日から意識してください。

 

 

丸山 ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表

 

 

 

 

 

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