エグゼクティブのスーツルール

 

スーツは長い歴史の中で

仕事をする人が際立つように作られた

鉄板のビジネス服。

重要な仕事ツールです。

 

 

簡単に「できる人に」なれる。ただし。。。

 

「スーツ」は長い時間をかけて、「できるビジネスパーソン」を演出する装いとして作られてきました。肝心なポイントを理解しておけば。着るだけで簡単に「できる人」になれる便利服です。

特に男性のビジネススーツは、「できる人」に見せるルールがしっかり決まっており、女性から見るとうらやましいこともあります。女性もビジネスにふさわしい装いができるようなスーツを手に入れられるようになってきましたが、まだまだ「鉄板」とまではいかないからです。

現在はテレワークの発達などでビジネスシーンにもバリエーションが出てきました。世界的なカジュアル化やアメリカ西海岸への憧れも手伝って、スーツの登場機会は少なくなっており、スーツの量販店などは苦戦しているようです。

しかし、スーツを着たときの「有能な印象」「格のある印象」は捨てがたいものがあります。インターナルなミーティングなど気の置けない場面ではカジュアルスタイルにしても、対外的に誠実さを表す必要があるときや、格の高い場面では、「着るだけで『できる』『信頼』『誠実』『格上』」の印象になるスーツはいまだに必須アイテムです。ですから、逆にしっかりと考えオーダーなどで「この一着」を作ろうとするビジネスパーソンが逆に増えてきました。

ただし、全ての人がスーツの「着るだけで」の恩恵にあずかれるわけではありません。鉄板のスタイルだけに、そのスタイル作りには決め手となるルールがあるからです。

あなたがまだ社会にデビューしたばかりの新人であれば、そのルールを知らなくても何とかやっていけます。しかし、あなたがキャリアを積み活躍していこうとしている人、またはリーダーポジションにいる人など「『できる』『信頼』『誠実』『格上』」の印象を自分の持たせたいポジションや役割の人であれば、エグゼクティブらしいルールはしっかり身につけておいたほうがこれから絶対に有利です。

なお、今回は男性スーツについてお伝えします。女性のスーツスタイルは別の機会に。

 

格のある着方=上質な印象を作る着方

 

キャリアのある人、リーダーポジションにいる人には「格」が必要です。「格」とは、能力が高く経験値も豊富な印象であり、また大事な役割や高いポジションにふさわしい雰囲気です。装いなら上質な印象で「ワンランク上」と自然に感じられるようなアイテムや着方が必要です。

常にそういう着方を選んだ方がいい方もいれば、ここぞという時にだけ必要な方もいるでしょう。ただ、いずれの場合とも正しく格のある着方を知っておくことが、自分を有利な雰囲気にすることができます。また、知らずに見当はずれな装いをしないためにも、スーツのどこで着る人の「格」が左右されるのかは知りたいですね。

特に、経営者、経営幹部、リーダーポジションにある方、広報職や営業職の方、また士業やコンサルタントなど専門職の方などは、基本の着方とともに自分の「見せ方」として「格」を意識することをおすすめします。

「格」を左右するのは、スーツの色や柄です。スーツ自体の色や柄も大事ですが、中に着るシャツ、ネクタイの色柄も格を左右します。そしてもう一つ、サイズ感。残念ながら、サイズ感の合わないスーツは着る人をだらしなく、心細げな様子に見せてしまうのです。

 

意外に「普通」があなたの格を上げる

 

実は、見て誰もが「かっこいい」「素敵」と思うような、ビジネスパーソンのスーツスタイルは意外に「普通」のスタイルです。基本のシルエットで、落ち着いた色使い、何かが突出して目立つことがないスタイルです。

ビジネスパーソンの場合、「おしゃれ」「流行スタイル」「可愛さ」はビジネスフィールドでの期待感や高評価につながりません。求められるのは、「信頼感」「有能さ」「知性」「頼りがい」「余裕や落ち着き」であり、そのイメージです。そこをしっかり理解せず、おしゃれ雑誌のスナップやショップのウィンドウから抜け出たようなスタイルを選んでしまう人もいます。

また「リッチな雰囲気の自分を見せて、ビジネスでのできる感を見せたい」と、色柄を派手にしたりディテイルに凝りまくって装飾感にあふれたスーツスタイルにしてしまうと、漂うのはリッチ感ではなく浮ついた成金感になってしまうことだってあります。有名な上質スーツブランドで決めても、色柄などの合わせ方が安っぽいとなめて見られるものです。

ホンモノのリッチ感が漂う人は、色や柄、ディテイルにそれほど派手なものは合わせません。むしろ、色や柄は抑えめです。しかしよく見ると、スーツの生地やシャツの生地が非常にしなやかで上質な生地だとわかったりします。また、非常にカッコよく見えると思ったら、サイズ感も絶妙にぴったりで、上品にフィットしていることがわかるのです。どうせお金をかけるなら、色や柄はシンプルなものを選び、生地感、サイズ感にかけたほうが、あなたを有能な人に見せて信頼感を多く勝ち取るというスーツ本来の役割を果たします。

「ホンモノ」として見られやすいのは、正統なスーツスタイルです。ですから、いたずらに流行を追ったスタイルや目立つ色や柄を使ったコーディネートは決しておすすめできません。派手なストライプのスーツやシャツ、抽象的なネクタイ柄や浮いて見えるようなネクタイ色、ごつごつと目立つダイバーズウォッチなど、最近よく見るアイテムは「正統」の真逆をいくものです。

また、スーツオーダーする際も「オーダーだから」といって、ちょっとめずらしい柄や色を選ぶのも、ほとんどが失敗します。めずらしいものではなく、自分を正当に演出するもののほうが後々コストパフォーマンスも良いのではないでしょうか。

「個性を表現したい」ということでそのような選び方をする方もいらっしゃるのですが、自分のシンボルとなる色柄を使っても、相手から見ると「奇抜」にすぎないことがあります。それよりは、正統なスタイルをして個性は自分からにじみ出るにまかせたほうが良いかもしれません。いずれにしても、客観的な眼で自分のスタイルを考えてください。以下に、あなたをビジネスパーソンとしてカッコよく見せる選び方をご説明します。(これは同時に女性受けもいいスタイルです)

基本の色は「ダーク」

たやすく品や落ち着きを醸し出すのはダークスーツをベースにしたスタイルです。つまりダークネイビー、ダークグレー、チャコールといった色合いのスーツを装いの基本にすることです。

しかし、これらの色はいかにも「仕事服」と見える定番ゆえに、最初は揃えるものの、ありきたりでつまらないと感じ他の色に逃げてしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、ダークスーツがベーシックとなったのはスーツの成り立ちの経緯も関係ありますが、やはり落ち着きや知性、品格を感じさせる色であったからです。またダークな色は大人のエレガントさを感じさせる色でもあります。逆に明るめの色や大きな柄はカジュアルになりすぎ、硬い場面やエレガントな場面には決して合わないものです。ですから、ダークスーツのほうが着る範囲は広いのです。

日頃から落ち着きや知性、品格を感じさせた方がいいポジションや職務を持つ方は、「基本はダーク」と覚えて下さい。

 

ネクタイはシックな色・柄

 

「地味になりすぎるとダサく見えてしまう。それでは元も子もないので、ネクタイはちょっと派手な色を…」この気持ちは痛いほどわかるのですが、コーディネートの失敗の元になることが多いです。

上でスーツはネイビー、グレー、といった色をおすすめしていますが、実はネクタイの色も
ネイビー、グレーをベースにすることをおすすめします。ただし、スーツよりワントーンだけ
明るくした色合いにしてください。

柄は、小さなドットや小紋など、これもあまり目立たない柄、またはソリッド(無地)を推奨します。これが見た目では意外にキマるのです。エグゼクティブはこれ以外の柄がいらないと思うくらいです。

ストライプもネイビーやグレー基調の二色使いまでのものならすっきりしていて、ある程度の年齢やポジションの方にも似合います。ただ、セレモニー的な場面だと、ストライプがしっくりこないときもありますので、そこはお気を付けください。

もう少しバリエーションがほしいというときにはブラウン、あるいはネイビーより少し明るい発色のブルーをお試しください。

 

サイズは「フィット」

 

スーツはサイズ感が重要であると上でも言いました。スーツのサイズは「フィット」と表されます。なだらかに身体に沿いつつもある程度ゆとりがあるサイズ感です。

そこで問題がひとつ。スーツテーラーやファッション関係の人がよく日本人的傾向として指摘するのが「オーバーサイズのスーツやシャツを平気で着ている」ということです。

それこそ、色柄は問題なく、生地も良いものを身につけているのに、今ひとつキマらないという人の多くはオーバーサイズの人がほとんどです。少なくないビジネスパーソンが、スーツ購入時に「少し体型が変わってもいいように」などと考え、大き目のサイズを選択しているようです。

もしあなたがそうなら、そこをまず変えないと、いくらスーツに予算をかけても「格」のある装いにはなりません。一流エグゼクティブのスーツスタイルがキマッて見えるのは第一にサイズ感がキマッているからです。

 

ノーマルなドレスシューズで仕上げ

 

さて、色柄とサイズ感を中心にお話ししましたが、スーツスタイルの仕上げは「靴」です。これがキマッていないと、様になりません。ぜひノーマルなドレスシューズを合わせるようにしてください。

ドレスシューズとは、格の高い服装に合う靴です。スーツに合わせるべき靴と覚えてもいいでしょう。場面によってはフォーマルでも使えまずが、カジュアルには似合いません。

「ノーマルな」ドレスシューズとは、まず材質は牛の表革。黒が基本色になります。スタンダードで持っていていいのは、「ストレートチップ」「プレーントゥ」の二種類です。

これらはもちろん紐がついた靴ですが、使っていいのは紐を通すところの先が縫い込まれた「内羽根式」と覚えてください。

また、トゥ(つま先)の形にも注意してください。やや丸みをおびた「ラウンドトゥ」が原則です。申し訳ありませんが、とんがった形や四角い形は、カジュアルなシーンはともかく決してまともなビジネスシーンには履いてはいけないものです。これは絶対に区別しておいてください。

 

 

いかがでしょうか。
異論もあるかもしれませんが、経験上、ご紹介したスタイルはあなたをとても引き立て有能なビジネスパーソンとして引き立てます。それだけでなく、ここにお伝えしたスタイルは「ビジネスフォーマル」として公式な場所では、スタンダードとなるスタイルです。あなたのクローゼットにもしも上でお伝えしたアイテムがなければ、ビジネスフォーマルのときに困ります。ぜひそろえておいてください。

 

 

丸山 ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表

 

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