Specialist=【細木 聡子】

女性管理職・リーダーとして知っておきたい
世界的に注目を集める
「社員との関係性を築くのに有効な手法」とは?

 

しなやかリーダー塾塾長の細木聡子です。
本日は、人事の重要な仕事の1つである「面談」にまつわるお話です。

「1on1」ミーティングの重要性

1対1の面談を「1on1」を言います。
上司と部下が1対1で定期的に行うミーティング(面談)のことで、
米国シリコンバレーでも文化として根付いており、
今、人材育成の手法として
世界的に注目を集めている手法です。

会議や査定といったかしこまった場とは異なり、
お互いに自然体で話す場を定期的に設けることで、
部下の内省による成長や、
社内のコミュニケーション活性化が
期待されています。

人材育成する上でも、
社員ひとりひとりの特性に合わせて
個別に丁寧に面談することが重要です。

もちろん、
会社の基本的な育成方針は決まっていてしかるべきですが、
最終的には、個々人によってモチベーションのツボ、
状況、特性、見ている視点、男女の違いなどを踏まえて、
人事異動や配置換えをすることが
成果につながると私は考えています。

女性管理職育成も同じことですが、
まず人事部がやるべきは
【個人を知る】
ことだと思います。

私も人材育成担当になった当初、
500人近い部署の社員たちを
全員知り尽くすのは厳しいかもしれないが、
とにかく知ることから始めないと、
何も始められないと思い結果若手全員との面談を実施しました。

実施に踏み切ったのは、最終的には
【個人対応の積み重ねが、成果が出る一歩になる】
と考えたためです。

丁寧な面談とは?

私はNTT時代から、
現在もポリシーとして変わらず続けていることが
「丁寧に対応する」ということです。

きっとこの記事を読んでくださっている
経営者、組織で働く人事部の方、上司のみなさんにとっては
至極当然で当たり前のことだと思います。

それでも、私はあえて
「個別面談を実施するなら、何をおいても丁寧さを心がけるべき」
と声を大にして伝えたい、そんな思いを込めて書き進めています。

では、何を持って丁寧というのでしょうか?

それを説明しながら、
上司として社員たちとの「関係性」を築くのに有効であった、
具体的な面談の進め方をお話ししましょう。

 

「丁寧に」と私が言うのは

一人一人に対しての「声かけ」「教育」「意識づけ」を
タイミングを計って、
その人にとって効果的な言い方も含めて
「何を言うか」までをチューニングして、
個別対応する、

ということです。

以下は、人材育成担当就任後にすぐ対応した内容です。
—————————
1)人事情報(書類)で全社員を確認
2)若手全員面談
3)独自面談シートで情報を暗記
—————————

1)書類で確認
出身、最終学歴、入社動機から、
現在の部署で行われた個別面談シートから見える
現状と今後の目標までを全員チェックしました。

もちろん、書面上だけではわからないことがほとんどですが、
書面を確認しないことには何も始まりませんので、
着任後すぐに部署全員の情報を隅々確認しました。

2)個別面談
若手社員200名全員の面談を1年かけて実施しました。
実際に会って、現在の考えや今後の展望について話を伺いながら、
書類上ではわからないことを独自にまとめました。

たとえば、その人の特性やモチベーションのツボ、
繊細か図太いか、細かいか大雑把か等々、
様々な項目を作り、悩みから趣味の話など細かい話題も含めて、
面談後に一人ずつデータにしてまとめました。

3)情報を記憶
当時は担当課長という立場だったのですが、
当時の上司である部長から1社員について情報を聞かれたら、
出身学校から生い立ち、知っている限りのプライベート情報、
大まかな性格まで伝えられるようになりました(部署およそ500名分)。

***

この3つのプロセスを通して得られたのが、
社員たちとの「関係性」でした。

当初は一人から情報を1つ引き出すのも苦労していましたが、
関係性ができれば、社員から相談してくれたり、
有益な情報を届けてくれるなど、とても助けられました。

これが、細かく丁寧に対応することで得られる、
実を結ぶ瞬間ではないかと思っています。

結果として、私は人事担当課長から離れる時に
「課長は、わたしたち1人1人を見てくれていたなと思います」
と言われたり、

送別の際の色紙にも
「心強い存在でした、ありがとうございました」
などと書いていただけたのだと思っています。

「丁寧な対応」で得た情報を難しい配置替えに活かす

会社の育成方針や経営方針から社員を
現在の部署から配置換えを実施する必要に迫られる時があるでしょう。

その時、社員へ異動の理由と目的、
そして意識づけをするのが、人事担当者、
またはその社員の上司だとしたら、

—————————
社員のモチベーションをいかに引き上げるか
—————————

ここが面談の肝だと考えています。

意識づけが失敗したら最後、
遅刻がちになったり仕事の質が落ちたり、
最悪離職につながる・・ということにつながりかねません。

とはいえ、社員の事情やキャリアに対する希望に
全て寄り添い配慮しようと頑張っても
一概にいかないのが当然です。

そこで、会社の方針と社員の事情を踏まえた上で、
社員が今よりキャリアアップ・スキルアップに繋がるよう、
かつ、本人が納得できるよう意識合わせしながら面談を行う必要があります。

これを実現するのが前述の「丁寧な面談」であると私は考えて
お話をさせていただきました。

ちなみに、いまさらの話ではありますが、社員の配置替えや人事異動を行う際には、
感情抜きの【冷静な判断】が求められます。

社員より上司や人事担当者のほうが、
会社の情報量(人事情報も含めて)が圧倒的に多く、
そのたくさんの情報から社員にとって
最良の選択をできる状態にあるので、
基本的にバランスを崩すような事態には陥らないとは思います。

しかし、会社の方針で通達が出された配置替えに、
社員が納得いかず感情的になってしまう場合もあるでしょう。
社員の事情を詳しく聞くうちに、
情に流されたり、必要以上に共感して感情をひっぱられることもあるかもしれません。

そこはぐっと我慢をして、冷静になることが重要です。

社員にとって本当に良いタイミングで、
本人の希望を叶えるような見せ方で、
組織の育成方針に逸脱することなく、
意識づけしてあげられるのは自分である、
ということを念頭に置いておくことで
冷静さを取り戻すきっかけになりやすいので
ご参考になれば幸いです。

 

細木 聡子 Satoko Hosoki

プロフィール