Specialist=【安藤 智子

 

こんな季節は、「しなやか薬膳」で体調を整えましょう!

 

 

こんにちは。薬膳講師、薬膳カウンセラーの安藤智子です。

自粛が緩和され、以前とは違う日常がはじまりました。そして梅雨入り宣言。一年で最も湿度の高い時期に突入しました。
梅雨時期はは体調がすぐれない、苦手という方も多いのではないでしょうか。
今回は、梅雨時期の体の状態とムクミ対策、免疫力の作り方についてお話したいと思います。

 

「脾」を整えて弱った胃腸を守る。

 

今の時期に起こりがちなムクミや重だるさ、眠気、疲れがとれない、気が滅入る、湿疹、関節痛、頭痛…などのトラブルは湿気によるものです。梅雨時期に胃腸が弱りやすいことが関係します。

元々、胃腸が弱いといわれる日本人ですが、なぜ梅雨時期は特に胃腸が弱りやすいのでしょうか。

薬膳のベースの考え方の中医学では、胃腸のように消化、吸収、排泄を担うはたらきの臓を「脾(ひ)」といいます。「脾」が正常にはたらくことで、体に必要な要素である「気」は生み出され、代謝を促します。

また、免疫力も「気」のはたらきの一部なので、今の時期こそ「脾」を整えておくことはとても大切なことになります。梅雨時期は湿気が体内に侵入し、湿気を抱え込みがちになります。すると湿気に弱い「脾」はスムーズにはたらくことが出来ず、うまく代謝が行われません。

そうするとしだいに体内に湿気は増え続け、あらゆる場所に侵入します。そうして湿気が増え続けると、ムクミや重だるさ、眠気、冷え、湿疹、関節痛、頭痛、疲労感といった様々な湿気が原因のトラブル(湿病)へと繋がってしまいます。

また、中医学では「脾」が弱ると、思い悩みやすくなるといいます。
湿気のせいで思い悩みやすくなるなんて!と思われるかもしれませんね。
私たちは食べたものを胃で柔らかくドロドロの状態にし、体内にとり入れることで、内臓を正常に動かすためのエネルギーとなる「気」を生み出します。体内に「気」を十分に持つことができると、つまり、「気持ち」がしっかりとするということ!「気」は内臓を動かす原動力ですから、「気」がしっかりと保持してこそ、消化、吸収、排泄といった代謝がスムーズに行われます。代謝がスムーズに行われることでムクミしらずな、太らない体をつくることに繋がり、免疫力を高めることにも繋がります。

では実際に、ムクミのチェックをしてみましょう。


【このような症状はありませんか?】

□ いつも眠い
□ 疲労感がある
□ むくみやすい
□ 食べる量は変わらないのに体重が増加する
□ 頭が重く感じる
□ 手や足がだるい
□ 軟便・下痢の傾向にある
□ めまいがする
□ 手足が冷える
□ 胃がもたれる、胸やけがする
□ たるみ、法令線が気になる
□ 湿疹がでやすい

いかがでしたでしょうか? 一つでもあったら、「脾」を整えることを意識しましょう。

これらはすべて湿気によるトラブルです。
特に梅雨時期は、普段このようなトラブルがない方も起こりやすいので、食事での湿気対策をおすすめします。

 

梅雨時は胃腸の負担を抑えて

 

まずはじめは食材の調理法を意識します。

胃腸のはたらきが滞りやすい梅雨時期は、胃腸の負担をなるべく抑えることも大切です。

日本人には日本人に合った食べものや食べ方があります。それは、古来からの食文化の違いが胃腸の構造にまで影響を与えているから。欧米人は遊牧民族を先祖にもち、動物性のものを好んで食べてきました。

しかし、日本の気候はお米や穀類を栽培しやすく、日本人はお米や穀類、脂肪の少ない魚介類などを中心に食べてきました。そのため日本人の腸は、欧米人より比較的長く、繊維質を時間をかけて吸収することに優れています。

ですから植物性のものや脂肪の少ないものを、柔らかい形状で食べることは胃腸への負担軽減になります。例えば硬い玄米より柔らかいお粥、ステーキより脂肪分の少ない鶏むねのひき肉、ゴロゴロ野菜のカレーよりもキーマカレーという風に。

次に、「脾」をケアする食材を摂り入れます。

「脾」は、米類、豆類、いも類などのでんぷん質の甘みや、麹、きのこ類、白身魚、鶏肉などで補います。

今回はその中でも、ムクミを排出する効果が高く、体の水分代謝を整えながら「気」も補う小豆のご紹介をします。

 

小豆の歴史は古く、小豆の赤い色は呪力があるとされ大切に扱われてきました。今でも御祝いの場やおめでたい日には欠かせないものです。

漢方でも生薬名を赤小豆(セキショウズ)といい、脚気の妙薬とされ、ムクミによるトラブルや皮膚の炎症にも使われます。また、小豆ポリフェノールは抗酸化力が高く、美肌や美容、アンチエイジングに有効です。薬膳でも小豆を煮だし汁をお茶として飲んだり、アンチエイジング薬膳、アレルギー予防や生活習慣病予防の薬膳にも使用します。

 

今のあなたへのおすすめ薬膳レシピ

今回は小豆の煮汁を使って「小豆茶(あずきちゃI」と、ゆで小豆を使った「小豆のフムス」をご紹介します。

 

「小豆茶」

【材料】
小豆 300g
昆布 5㎝
水  適量

【作り方】

➀小豆を洗う。鍋に小豆とたっぷりの水を入れ沸騰させ、沸騰したら一度お湯を捨てる

➁鍋に➀と水(約1.2ℓ)を入れ昆布を入れ、沸騰したら弱火にし、柔らかくなるまで煮る

➂煮汁をお茶として1日、2回程度飲む

※更年期症状などホットフラッシュや火照りを感じる方、貧血の方は多飲はお控えください。

 

【小豆のフムス】

【材料】

ゆで小豆 150g
玉ねぎみじん切り 大2
クミンパウダー 小1.5
味噌 小3
レモンのしぼり汁 小3
豆乳 大さじ5
EVオリーブオイル 大1
塩 少々

(飾り)
ターメリック
EVオリーブオイル
ハーブ
ピンクペッパーなど

【作り方】

➀塩、レモンのしぼり汁以外の材料をフードプロセッサーに入れペーストにする。
豆乳と味噌は滑らかさや味を見ながら入れる。

➁レモンのしぼり汁も加え、味がしまらない様なら塩で調える。

➂お皿に盛り、飾りつけ食べる前にオリーブオイルをかける。野菜やパンにつけていただく。

 

※ 小豆をペースト状にすることでより消化しやすい形状にしています。また消化促進効果の高いクミンを加え、より胃腸に優しく。レモンを加えることで、小豆のもつ排出効果をマイルドに和らげ、どのような方にでも食べていただきやすいレシピにしました。

 

体のムクミを排出することは、体の水分代謝を整えること。今の時期に水分代謝を整えて、内臓を冷やさないことが次の季節(秋・冬)の体に大きく関わります。

免疫力を高めておくためにも、冷たすぎる飲み物や食べ物は控えて、常温で食すことを心掛けてみてくださいね。きっと体が軽く感じるはずですよ!

 

 

安藤 智子 Satoko Ando

 

プロフィール