エグゼクティブを仕上げる、一流の大人の「香りのまとい方」

 

シャネルは
「香水をつけない女性に未来はない」と言いましたが、
現代ではそれは女性に限らず大人全員に言えること。

あなたの身だしなみを仕上げる、香りのつけ方を研究しましょう。

 

「香り格差」がついています

 

人間の嗅覚は脳に直結する器官。しかも感情や記憶を司る領域に強く影響します。医学的な研究の中で、嗅覚は脳の大脳辺縁系(情動や本能を司る部分) に何も経由せずにダイレクトに届き、長期記憶として格納されやすいこ とがわかっています。近年では、その記憶への影響力を使い、香りによっ て学習効果を上げる、という研究までされています。

私の個人的な経験では、「一流」の人々が集う場所は、良い香りを感じ、 一方で、そこまででない人々の集まりでは体臭などの無防備な匂いをよ く感じたものです。別に何も考えずに経験していたことですが、嗅覚でも「一流」とそうでないものは分かれるのだとわかってきました。

ですから、香りやニオイに対して無防備であることは、あなたの格を落とします。「香り」とうまくつきあえば、人に好感を感じさせるだけではなく、与えたい印象を与えたり、自分のブランディングにも効果的です。

現代では身だしなみの意味に加え、そうした香りの作用を理解し、ビジネス時に「香りマネジメント」を意識するビジネスパーソンが増えてきました。しかし、一方で「自分は体臭があまりないから、香水の類は必要ない」と、無防備なままの人もいます。

しかし、体臭がないから香りをまとわない、のはかなり遅れた考え方と言わざるを得ません。入浴が満足にできなかったため「自分の体臭隠し」で香水を用いていた時代は何世紀か前に終わり、今では装いの仕上げとしてTPOや自分のプレゼンスに合わせた使い方をする考え方が一般的になっているからです。そして、「自分の体臭はあまりない」という認識も間違いです。日本人は確かに比較的体臭が薄いほうだと考えられますが、体臭は誰にでもあるのです。そこを間違っていると、身だしなみも間違います。そうすると一流の大人どころではありません。

積極的に自分の印象をデザインする考えで香りマネジメントをしている人と、古い考え方で香りを敬遠し身だしなみまで間違っているかもしれない人。最近、色々と「二極化」「格差」が言われます。

あなたが、キャリアのあるビジネスパーソンであり、もしもリーダー的なポジションであるなら、「エグゼクティブプレゼンス」が必要ですが、それには「身だしなみ」、なかでも「香り」は外せません。人は、理論的に物事を判断する前に、まず感覚や感情の部分で心理を動かされるからです。香りでも周囲をリードしてください。

 

女性・男性、関係なく香りはつけこなしたい

「香り」の前に「におい」に注意

 

嗅覚は理性よりも感情、あるいはもっと根源的な記憶や本能に働きかけると言われています。

例えば、昔嗅いだ香りを嗅ぐと、昔の記憶が一気によみがえったりしますが、その際に感情も揺り動かされるような気がすることがありますね。そのように、人の「香り」あるいは「におい」は、
その人の印象に重大な影響を及ぼします。

例えばイメージしてみてください。すれ違うときなどの一瞬に「良い香り」がふわっと漂う人には
ほとんどの人が魅せられ、印象を深くします。

反対に、人は他人の口臭や体臭など気になるにおいに触れると、生理的に嫌悪する感覚を覚えてしまいます。本能的なものですが、一瞬でもそのようなことがあるとまず「忌避したい」という欲求がわくのです。それでは好意も感じてもらえなければ、当然敬意も感じてもらいにくくなります。むしろ、不快や軽侮の気持ちが強くなるでしょう。

「そんな風に思わなくてもいいじゃないか」と言っても、どうにもなりません。このような感覚は本能的に湧き上がるものであり、理性で思考しているわけではないからです。止めることはできません。

ですから、身だしなみを考える時には「体臭」「口臭」防止に細心の注意が必要で、「良い香りを付加する前に、人にとってイヤなニオイになりそうなものは全部取る」という意識が大事です。

 

「良い香り」になる「つけ方」と「場所」

 

さて、きっとあなたもご存知でしょうが、良い香りでもつけ方を間違えたり、過剰につけすぎたりすると悪臭と同じ印象になります。「スメルハラスメント」です。

まず、ビジネスシーンでは特にダイレクトに人の「鼻孔」に届いてしまう場所につけるのはやめておきましょう。香りの指南書には、つける場所として「首や耳の後ろ」を書いていることも多いのですが、これはどちらかというとデートシーンなどを想定しているのではないかと思います。ビジネスシーンでは、あまり向きません。

なお、香りの専門家は「かならず素肌にまとうこと」と言います。もちろん、アルコールや香料に肌が負けてしまいそうな人には勧めませんが、肌に直接つけると表面の熱が香りをふわりと漂わせ
香りが持つ魅力が引き立つのです。

 

香りの種類や名称の見分け方

市販の香水はブランドやシリーズによって、香りのエッセンス濃度にバリエーションがあるものがあります。

香りのエッセンス濃度の種類は、いちばん濃い「パルファム」から、やや濃い「オードパルファム」、中程度の「オードトワレ」、薄い「オーデコロン」まであります。どのシリーズも全種類を作っているわけではなく、「パルファム」だけ、「パルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」が揃っているシリーズ、「パルファム」と「オーデコロン」があるシリーズなど、さまざまです。エッセンス濃度による違いは、まず香りの持続性です。濃い方が持続性があります。そして同じシリーズでもエッセンス濃度によって香りの濃厚さもまた違いますので、場面のイメージに合うように選びましょう。

同じシリーズでボディク リームやシャワージェルまでラインで出しているブランドやシリーズがあります。あまり香り過ぎるのが好きではない方は、ほんの少しの香水とボディクリームを併用するなどして、香り自体はおさえながら奥行きのある香り方を工夫したりします。ですから、上級者はトー タルで「ライン使い」などもよくします。

 

あわててはいけない。かしこい「香り」の買い方

香りは繊細なものだけに、いざ買うとなると選ぶのが大変です。
特にまだあまり香りを選ぶのに慣れていない方は、迷っているうちにわからなくなりま す。しかし、それが当たり前です。 新しい香りを購入するときは、その日に決めず、少し時間をかけましょう。

まず、どんなときにつけたいか、コンセプトをある程度しぼっておきましょう。そして店舗に行く前に情報収集して、実際に香りを確かめる候補を数種類決めておきます。

店舗に行くと、お店の方が声をかけてくることもあると思います。そんなときはコンセプトを話しましょう。例えば、「◯◯の時につけたいので、これよりもう少し△△なものが欲しいの ですが」…こういう風に聞けば十分です。 「では、こちらはいかがでしょうか?」と何種類か提案してくれるでしょう。しかし、ここで自分の肌にはまだつけないでください。

香りを確認するなら、最初は自分の肌につけるのではなく、サンプルの紙(ムエット)に吹きかけてもらってください。 恐れずに試したいものは試しましょう。そして、 「これは好きじゃない」「これは好きだけど、もっと甘くないのがいい」 などワガママを言いましょう。その日は香りがついた紙だけもらって、まだ購入しません。

紙に吹き付けてもらったものを、1~2時間経ってか ら一度嗅いでみます。香水の類は時間によって変わります。変わったあとに嗅いでみると、好きなままの香りもあれば、そうでもない香りもあります。丸一日経ったくらいの時に再度香りを確認しましょう。その時点で「これが良さそうだ」というものが見つかったら、そこでもう一回お店に行ってください。

 

 

揺らめくように印象を強める、大人の香りのまとい方

いかがでしょうか。

「良い香り」は正面からわかるオーラではなく、横や後ろで気づく揺らめく光のように
あなたの印象を強めます。そして、香りやにおいは一瞬だけの印象で終わりません。

嗅覚は脳に直結する器官と言いましたが、特に長期記憶や感情を司る部位に大きく影響します。「なんだかいい香り」という好感度大な印象も「イヤなにおい」と感じさせた時の負のインパクトもあなたの他の印象要素とともに相手の記憶に長く残ることを覚えておいてください。

洋服などのように目にしっかり入るものとは違う「香り」。まさにエグゼクティブらしい格を感じさせるかどうかを左右する要素です。上手に利用して、揺らめくように印象を強め、良い香りとともに多くの人の記憶に残る存在でいたいですね。

 

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丸山 ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表

 

 

 

 

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