共感と存在感を呼ぶプレゼンスキル

日本でもジョブス氏なみのプレゼン力が
必要になっている
全身で表現する時代に
プレゼンテーション力をどう高めるか?

 

 

現代のプレゼンに必要なスキル

 

2018年のなかばごろから「エグゼクティブプレゼンス」に関する個人トレーニング依頼の中に「プレゼンテーション」という言葉が増えてきました。

人前で話をする人が急に増えたわけではありません。経営者などをはじめ、ビジネスパーソンが人前で話をする機会は前からあったので、人前での話し方を気にする機会は皆さんそれなりにあったのです。ただ、経営者の方などですと、以前は挨拶であるとか、決まった内容を読むように行うスピーチがより多かったように思います。また、何かを発表したり説明したりする、いわゆるプレゼン=プレゼンテーションであっても、スライドがメインで話し手は演台で、やはり決まった内容を読むように行うパターンが主でした。

以前のイメージでは人前で話す時はいかに滑らかに話すかが重視されてきたように思えます。また、計算されたジェスチャーを取り入れる人もいました。しかし、演じているようなイメージがまだ強いものでした。

しかし、今「プレゼン」というと。もっと生き生きした、全身を使って行うようなイメージに変化しました。また、論理的に伝わりやすい内容であることは当然、重視されるのですが、興味や共感を心地よく刺激するような話し方も評価の比重が高まってきた気がします。

まさに表現力こそ、現代に必要なプレゼンスキルなのです。

 

いきいきとフレンドリー

 

「プレゼン」というと誰でも思い出すのがアップル社のスティーブ・ジョブス氏でしょう。中でも2007年のiPhone発表の際の名プレゼンは、多くの人にインパクトを与え、今さら説明するのも気が引けますが、プレゼンの代名詞ともなりました。そんな氏の伝説的なプレゼンの数々は、1週間は練られているシナリオと2日以上のリハーサルの賜物、という話を聞いたことがあります。しかし、思い出されるのは、そのように周到な準備であることを忘れるような自然さでした。

それはまるで、友人に話しかけるような肩肘張らない親密さに溢れていたのです。その雰囲気を受けて、聴衆は何が出てくるのかとワクワクしながら、一緒に宝箱を開けるような楽しさを味わっていたような空気がありました。それが、会場を全体を熱くさせるような共感を生み、その場におらずオンラインや録画で見た人々にも強い印象を残すものばかりです。

そして、すっかりポピュラーになったTED。新しいアイディアや心に残る話のショートプレゼンをインターネットの無料配信で見られるようになったのは2006年だそうです。見る人がどんどん増えて、今では多くのビジネスパーソンが必ず定期的にチェックするようになりました。

ここでも目立つのは、聴衆に話しかけるように話すプレゼンターの姿です。皆の前に立ち、時にはにこやかに、時には厳しい表情を見せながら、壇上を移動し、手などを動かしながら、伝えたいことを伝えていきます。ここでは、動きや壇上の位置まで計算された巧みなプレゼンもあれば、やや稚拙ながらも伝えたい一心さは伝わるプレゼンもあります。しかし、どんなプレゼンでも、表情や身体がいきいきとしてフレンドリーな雰囲気を伝えています。それが見るものを引き込み、共感を生み出します。

 

 

表現力が弱いままでいいの?

 

共感を呼ぶ話し方に、人に話しかけるようなナチュラルさや、自分を見せながら行う表現は欠かせません。

気がつけば、公の場での「プレゼン」はダイナミックに全身を見せることがかなり多くなりました。オンラインも増え、その時は全身ではないこともありますが、今度は表情がクローズアップされます。顔や身体による「表現力」はより重要になっていっているのです。

日本でも、その傾向が出てきています。企業などによる発表や提案は、経営トップ層が大きなスクリーンでスライドを見せつつ、全身を使って行うことが増えてきました。「全身プレゼンテ―ション」の機会が増えているのです。選挙演説などでも全身の様子をカメラで捉えられ、テレビなどで繰り返し放映されることを思えば、表情や身体の動きをより効果的に使わなければならなくなるでしょう。

聴衆としてプレゼンを見る側も、見る感覚はグローバル化しています。どんどんインターネットを介して優れたプレゼンを視聴できますから、感覚としてはTEDで見るようなものが標準的になっているのです。話し手には生き生きした表現を期待する流れになっています。

この傾向があってか、「プレゼンテーションを見てほしい」「表現力や服装も含めてアドバイスしてほしい」というご依頼が目に見えて増え始めました。

しかし、少し問題があります。「表現力」については、実は多くの日本人が弱いところがあるからです。表情や身体で表現することに慣れていないために、どこかぎごちなくなってしまうことがよくあるのです。ただ笑いかけるとか、視線を合わせるとか、相手を受け入れるような手の動きを取り入れるなどしようとしても、ふだんから表情や身体を使い慣れていないと、思う通りには顔の筋肉や手の動きが自分の言うことを聞いてくれないのです。

また、日頃から姿勢があまり良くない人は立っている時、見栄えがしません。そして壇上で動くときも歩き方があまりきれいでないと、人はどうしても惹きつけられません。自分の日頃からの見え方をより意識し、顔や身体をうまく使えるように慣れておくことが必要です。

表情、視線、姿勢、歩き方など、自分の表現を支えるものに無頓着であると、表現力は弱いままです。

人を惹きつけるジョブス氏のようなプレゼンに憧れる人は多いと思います。では、氏のプレゼンをよく見てください。巧みな計算やリハーサルを重ねたであろうこなれた様子、ご本人の人を惹きつける才のようなものに目が行きますが、表情、視線、姿勢、歩き方など基本的なところをよくご覧ください。いたずらっぽい表情や、笑顔によって私たちはプレゼンの中身により関心を持ち、惹きつけられます。そして静止した時、立った時にその緩急を安心して楽しむことができます。表現力とは、表情、視線、姿勢、歩き方という土台が整っているからこそ発揮できるのです。

またこれらの土台は、その人に「華」を感じられるかどうかにも関わってきます。同じ内容を話すのでも、聴衆が「はっ」と注意を惹きつけられ、関心や好感を感じてくれれば、話の内容にも期待や信頼感を感じてくれます。これを「プレゼンス=存在感」と言います。話し手にまずプレゼンスが無いとあるのとでは、聴衆の掴み方は違うのです。(「プレゼンス」と「プレゼン=プレゼンテーション」は似ていて混同してしまいそうになりますが、区別して読んでください)

そして、これらの土台を整えることは誰にでもできます。でも、今日明日ですぐに、は無理な話です。ですから、整えることをしないうちにプレゼンの必要が出てくる人はけっこう多いでしょう。あなたもそのうちの一人かもしれません。表現力が弱いままでいいですか?

嫌なら、ぜひ今日から表情、視線、姿勢、歩き方、つまりご自分の持つ顔や身体を動かすことを強く意識してください。

 

ほぼすべての人にプレゼン力が必要な時代

 

ちょっと前までは、企業トップが「人前で話す」というと、壇上の演台での語り、スタンドマイクでのスピーチなどどちらかというと「静的なお話し」がほとんどでした。しかし今や急速に「動的なプレゼン」が台頭してきた感があります。

それに合わせて、トップの方々もますます「全身での表現力」が必要な時代になってきました。プレゼンの話の内容の表現力に加えて、立っただけでご自身が誰であるかが周囲にわかる存在感が必要になっているのです。

これは、現在役職につくかつかないかの若い皆様にとっても他人ごとではありません。
リーダー格などの役職者ならなおさらです。

プレゼンの大家いわく、「『超キラーコンテンツ』を持つ人ならプレゼンの練習は必要ない。例えば『これを聞いたら一億すぐに儲かる』なんて話であれば、どれくらい話し方がまずくても皆喜んで話に集中するだろう」。

つまり、その話の裏を返せばそういったキラーコンテンツでない限りは、関心を持ってもらい、話を聞いてもらうには誰もが一定のプレゼン力を持つ必要があります。

それが、共感を呼ぶような表現力であり、人を惹きつけるプレゼンス(存在感)です。もし、あなたがまだそれを持っていないなら、表情、視線、姿勢、歩き方を今日から意識してください。そして、仕事もでき、論理力もあり、人を惹きつけるコンテンツを持っている人ならなおさら、自分のプレゼンスキルの土台となるものを強く意識してください。

 

 

 

 

丸山 ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表

 

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